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古川 純*; 中西 友子*; 松林 政仁
可視化情報学会誌, 20(suppl.1), p.377 - 380, 2000/07
生きた根の水分吸収動態を中性子ラジオグラフィを用いて可視化した。根の成長と水分の分布はコンピュータトモグラフィを用いて3次元的に解析した。ダイズ幼植物をアルミ製のコンテナで育成し、熱中性子ラジオグラフィにより根圏の水分像を時系列的に得た。画像解析の結果、水分の減少する部位は根の成長とともに上部から下部へと移行していくことがわかった。また根近傍の水分動態の計測から、根の成長に沿った三段階の吸収様式が示された。水分を吸収する二つの相と、その中間の根近傍の水分が一時的に増加する相である。この水分が増加する相と側根の発生が同時期であったことから、根の活動と周囲の水分布の関連性が示唆された。これまで根の周囲の水分動態を微視的に解析した研究例は少なく、中性子ラジオグラフィによる可視化手法は植物の活性解析に非常に重要情報を与えるものと期待される。
林 光彦*; 高井 茂臣*; 坂口 裕樹*; 松林 政仁; 江坂 享男*
可視化情報学会誌, 20(suppl.1), p.375 - 376, 2000/07
中性子断層撮影法(CT)を用いたリチウムイオン伝導体中のリチウムイオンの分布を測定した。実験にはスピネル型構造を持つLiTiOを用いた。Liのみを含む円柱状試料とLiのみを含む円柱状試料を組み合わせた面接触電界試料及びLiのみを含む円錐状試料と組み合わせた点接触段階試料をLiのみを含む円柱状試料をカソード側として電気炉中で電解して製作した。電解終了後、カソード側の円柱状試料に対して中性子CTを行った。その結果Liイオンは、点接触電解試料では試料の中心部分にのみ侵入していること、面接触電解した試料では試料全体にわたっと侵入していることが確認された。また点接触電解試料の断層像の濃度プロファイルから、試料中に形成される電場は通常の金属導体中の電場と同様に形成されることが示された。
坂口 裕樹*; 畠山 恵介*; 佐竹 祐一*; 藤根 成勲*; 米田 憲司*; 神田 啓治*; 松林 政仁; 江坂 享男*
可視化情報学会誌, 20(suppl.1), p.373 - 374, 2000/07
MgNi等の水素吸蔵合金中の微量・低濃度水素を少量の試料により非破壊かつ高精度に定量する手法確立を目的として、中性子ラジオグラフィの応用を試みた。フィルム法による撮影は京都大学炉の冷中性子ラジオグラフィ装置を用いて行い、中性子コンピュータトモグラフィによる断層撮影はJRR-3熱中性子ラジオグラフィ装置を用いて行った。その結果、フィルム法による測定から水素固溶領域と水素化物生成領域のそれぞれで、黒化度と水素濃度との間にほぼ直線関係があることがわかり、MgNi中の微量・低濃度水素を高精度に定量できることが示された。また断層像から、水素化処理を施したMgNi塊状直方体試料について、水素は直方体試料の各面の表面から一様に侵入していくことが確認された。
大岡 紀一; 石井 敏満
軽金属溶接, 36(4), p.169 - 174, 1998/00
本稿は、X線透過試験に関する各種試験法の特徴や開発動向及び国内外の規格について紹介すると共に、アルミニウム等の軽金属材料に対して非常に有効なマイクロフォーカスX線装置の特徴や開発の現状について解説したものである。特に、線源であるX線管や加速器の開発及びマイクロフォーカス化等による厚肉鋼材のきず検出から電子部品等の微小きず検出に至るまでの適用について示した。また、コンピュータトモグラフィシステムの開発によって、試験体の断層像が取得でき、内部のきずの位置や形状を三次元的に把握可能であることを紹介した。更に、カメラやモニタ等の高度化による、情報のリアルタイム化や試験体と検出器の非接触計測の実現についても触れた。